屋根材の種類
一口に屋根材と言っても、古くは茅葺き・樹皮葺きなど草木系から、瓦・石・金属まで様々なタイプがあります。その中で昨今は主に「粘土瓦」・「化粧スレート」・「金属」の3種類が広く使われています。
- 粘土瓦
粘土を使った焼きものの屋根材で、表面に釉薬が塗られている釉薬瓦と、焼成方法によって発色させるいぶし瓦などがあります。表面は強く、色味に関しては半永久的にメンテナンスがいりません。いぶし瓦においては、年月とともに深い味わいが出てきます。 - 化粧スレート
セメント、ケイ酸質原料などを用いて、加圧成形した板状の合成スレートに着色したもので、施工しやすいのが特長です。以前は不燃性を保つために石綿(アスベスト)を使用していましたが、現在では人工繊維や天然繊維を使用した無石綿の物に変わっています。 - 金属
鋼板・銅板・カラー鉄板などの種類があり、加工しやすく施工性がよいことから複雑な屋根形状ができて、葺き方のバリエーションが多いことが特徴です。最近ではモダンなデザイン性から、ガルバリウム鋼板の金属屋根が多用されています。
他の屋根材と比較した場合の瓦屋根の優位性
瓦はさびない!再塗装不要!30年で約180万円の節約になります。
瓦以外の屋根材のほとんどは塗装しており、このため5~10年で色落ちし、再塗装が必要になります。
腐食したスレート
錆びた金属屋根
それに比べて瓦は、初期費用は高めですが、その後のメンテナンス費用はほとんどかかりません。長期的に考えると、トータルコストでみれば瓦屋根はとても経済的な屋根材です。
下の図は、10年ごとに再塗装をした場合のシミュレーションです。
※ J形陶器瓦使用、屋根面積100㎡の場合。金額、年数はあくあまでも目安です。
※ 屋根の塗装費用は1回およそ70万円。仮に住宅の寿命を40年と想定した場合では、3回塗り直しが必要となります。
瓦は屋根に求められる性能を高い水準でクリアしています
耐久性能
瓦は酸性雨や紫外線による色の変化がほとんどなく、他の屋根材に比べ優れた耐久性能があります。防音性能
瓦は屋根を激しく叩く雨音や車などの外部の騒音をシャットアウトする優れた防音性能があるので、静かなお住まいになります。耐火性能
瓦は1,000度以上の高温で焼成されており、建築基準法の『不燃材料』です。高い防火性能があり、火災による屋根からの類焼を防ぎます。快適性能
瓦は熱を伝えにくいため、高い遮熱効果があります。夏は涼しく冬は暖かい、快適な環境を実現します。
瓦は四季の温度差に強く、遮音性にも優れています
化粧スレート、金属系の屋根材と比較すると、瓦は熱を伝えにくい性質を持っています。また、瓦と屋根面との間にある空気の層も断熱効果を生むので瓦屋根は冷暖房効率の良い家を作り出すと言えます。さらに、遮音性にも優れ、金属系で特に気になる雨音などの問題もありません。
空気層が高い断熱性のポイント
瓦の場合
化粧スレートの場合
屋根材の違いによる騒音の吸音率
人間の耳で感度の高い1600Hzで瓦は0.58という高い吸音率を示し、優れた遮音効果が確認されています。
豊富なデザインと色彩
現在、瓦にはJ形、S形、F形、M形など多種多様な形状があります。色調では、銀色系、ブラック系、ブラウン系、グリーン系、ベージュ系など多彩な製品があり、最近は2~3色をランダムに並べるという葺き方も多く、表現方法は無限といえます。
伝統的な和風建築から洋風建築まで、自由度が高く、個性的なデザインを創り出せる屋根材は他にありません。高性能な瓦を、これからも安心してお使いください。